Firebase SDK を使用してウェブベースの汎用 OAuth ログインをアプリに統合し、エンドツーエンドのログインフローを実行することで、ユーザーが Firebase での認証に Microsoft Azure Active Directory などの OAuth プロバイダを使用できるようになります。このフローでは、スマートフォン ベースの Firebase SDK を使用する必要があるため、Android プラットフォームと Apple プラットフォームでのみサポートされます。
始める前に
Firebase Authentication を使用するには、次の作業が必要です。
Firebase を使用するように Unity プロジェクトを登録して構成する。
Unity プロジェクトですでに Firebase を使用している場合、この登録と構成はすでに行われています。
Unity プロジェクトがない場合は、サンプルアプリをダウンロードできます。
Unity プロジェクトに Firebase Unity SDK(具体的には
FirebaseAuth.unitypackage
)を追加する。
Firebase を Unity プロジェクトに追加するには、Firebase コンソールと開いている Unity プロジェクトの両方でタスクを行う必要があります(コンソールから Firebase 構成ファイルをダウンロードし、それを Unity プロジェクトに移動するなど)。
Firebase.Auth.FirebaseAuth
クラスへのアクセス
すべての API 呼び出しは FirebaseAuth
クラスを使用して行われます。このクラスには、FirebaseAuth.DefaultInstance を介してアクセスできます。
Firebase.Auth.FirebaseAuth auth = Firebase.Auth.FirebaseAuth.DefaultInstance;
Firebase SDK を使用したログインフローの処理
Firebase SDK でログインフローを処理する手順は次のとおりです。
Microsoft に適したプロバイダ ID で構成された
FederatedOAuthProviderData
のインスタンスを作成します。Firebase.Auth.FederatedOAuthProviderData providerData = new Firebase.Auth.FederatedOAuthProviderData(); providerData.ProviderId = Firebase.Auth.MicrosoftAuthProvider.ProviderId;
省略可: OAuth リクエストと一緒に送信したい追加のカスタム OAuth パラメータを指定します。
providerData.CustomParameters = new Dictionary<string,string>; // Prompt user to re-authenticate to Microsoft. providerData.CustomParameters.Add("prompt", "login"); // Target specific email with login hint. providerData.CustomParameters.Add("login_hint", "user@firstadd.onmicrosoft.com");
Microsoft がサポートするパラメータについては、Microsoft の OAuth に関するドキュメントをご覧ください。
setCustomParameters()
で Firebase の必須パラメータを渡すことはできません。該当するパラメータは、client_id、response_type、redirect_uri、state、scope、response_mode です。Azure AD テナントのわかりやすいドメイン名またはテナントの GUID 識別子を使用して、特定の Azure AD テナントのユーザーのみがアプリケーションにログインするようにできます。これは、カスタム パラメータ オブジェクトの「tenant」フィールドを指定することによって実行できます。
// Optional "tenant" parameter in case you are using an Azure AD tenant. // eg. '8eaef023-2b34-4da1-9baa-8bc8c9d6a490' or 'contoso.onmicrosoft.com' // or "common" for tenant-independent tokens. // The default value is "common". providerData.CustomParameters.Add("tenant", "TENANT_ID");
省略可: 認証プロバイダにリクエストする、基本的なプロフィール以外の追加の OAuth 2.0 スコープを指定します。
providerData.Scopes = new List<string>(); providerData.Scopes.Add("mail.read"); providerData.Scopes.Add("calendars.read");
詳しくは、Microsoft のアクセス許可と同意に関するドキュメントをご覧ください。
プロバイダのデータを構成したら、それを使用して FederatedOAuthProvider を作成します。
// Construct a FederatedOAuthProvider for use in Auth methods. Firebase.Auth.FederatedOAuthProvider provider = new Firebase.Auth.FederatedOAuthProvider(); provider.SetProviderData(providerData);
Auth プロバイダ オブジェクトを使用して Firebase での認証を行います。こうすると、他の FirebaseAuth オペレーションとは異なり、ユーザーが認証情報を入力できるウェブビューをポップアップ表示して UI を制御することになります。
ログインフローを開始するには、
SignInAndRetrieveDataWithCredentialAsync
を呼び出します。auth.SignInWithProviderAsync(provider).ContinueOnMainThread(task => { if (task.IsCanceled) { Debug.LogError("SignInWithProviderAsync was canceled."); return; } if (task.IsFaulted) { Debug.LogError("SignInWithProviderAsync encountered an error: " + task.Exception); return; } Firebase.Auth.AuthResult authResult = task.Result; Firebase.Auth.FirebaseUser user = authResult.User; Debug.LogFormat("User signed in successfully: {0} ({1})", user.DisplayName, user.UserId); });
OAuth アクセス トークンを使用して、Microsoft Graph API を呼び出せます。
Firebase Auth でサポートされている他のプロバイダとは異なり、Microsoft では写真の URL が提供されないため、代わりにプロフィール写真のバイナリデータを Microsoft Graph API を介してリクエストする必要があります。
上記の例ではログインフローを中心に説明していますが、
LinkWithProviderAsync
を使用して Microsoft Azure Active Directory プロバイダを既存のユーザーにリンクすることもできます。たとえば、複数のプロバイダを同じユーザーにリンクして、どれでもログインできるようにすることができます。user.LinkWithProviderAsync(provider).ContinueOnMainThread(task => { if (task.IsCanceled) { Debug.LogError("LinkWithProviderAsync was canceled."); return; } if (task.IsFaulted) { Debug.LogError("LinkWithProviderAsync encountered an error: " + task.Exception); return; } Firebase.Auth.AuthResult authResult = task.Result; Firebase.Auth.FirebaseUser user = authResult.User; Debug.LogFormat("User linked successfully: {0} ({1})", user.DisplayName, user.UserId); });
同じパターンを
ReauthenticateWithProviderAsync
でも使用できます。これは、ログインしてから短時間のうちに行うべき機密性の高い操作のために、最新の認証情報を取得するのに使われます。user.ReauthenticateWithProviderAsync(provider).ContinueOnMainThread(task => { if (task.IsCanceled) { Debug.LogError("ReauthenticateWithProviderAsync was canceled."); return; } if (task.IsFaulted) { Debug.LogError( "ReauthenticateWithProviderAsync encountered an error: " + task.Exception); return; } Firebase.Auth.AuthResult authResult = task.Result; Firebase.Auth.FirebaseUser user = authResult.User; Debug.LogFormat("User reauthenticated successfully: {0} ({1})", user.DisplayName, user.UserId); });
次のステップ
ユーザーが初めてログインすると、新しいユーザー アカウントが作成され、ユーザーがログイン時に使用した認証情報(ユーザー名とパスワード、電話番号、または認証プロバイダ情報)にアカウントがリンクされます。この新しいアカウントは Firebase プロジェクトの一部として保存され、ユーザーのログイン方法にかかわらず、プロジェクトのすべてのアプリでユーザーを識別するために使用できます。
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アプリでは、
Firebase.Auth.FirebaseUser
オブジェクトからユーザーの基本的なプロフィール情報を取得できます。Firebase.Auth.FirebaseUser user = auth.CurrentUser; if (user != null) { string name = user.DisplayName; string email = user.Email; System.Uri photo_url = user.PhotoUrl; // The user's Id, unique to the Firebase project. // Do NOT use this value to authenticate with your backend server, if you // have one; use User.TokenAsync() instead. string uid = user.UserId; }
Firebase Realtime Database と Cloud Storage のセキュリティ ルールでは、ログイン済みユーザーの一意のユーザー ID を
auth
変数から取得し、それを使用して、ユーザーがアクセスできるデータを管理できます。
既存のユーザー アカウントに認証プロバイダの認証情報をリンクすることで、ユーザーは複数の認証プロバイダを使用してアプリにログインできるようになります。
ユーザーのログアウトを行うには、SignOut()
を呼び出します。
auth.SignOut();