C++ で Google Play Games サービスを使用して認証する

Google Play Games サービスを使って、Firebase で構築した C ++ の Android ゲームへログインすることができます。Firebase で Google Play Games サービスのログインを使用するには、最初に Google Play Games でプレーヤーをログインさせ、OAuth 2.0 認証コードをリクエストします。次に、認証コードを PlayGamesAuthProvider に渡して Firebase 認証情報を生成します。この認証情報を Firebase での認証に使用できます。

始める前に

Firebase Authentication を使用するには、次の作業が必要です。

  • C++ プロジェクトを登録して Firebase を使用するように構成します。

    C++ プロジェクトですでに Firebase を使用している場合、この登録と構成はすでに行われています。

  • Firebase C++ SDK を C++ プロジェクトに追加します。

Firebase を C++ プロジェクトに追加するには、Firebase コンソールと開いている C++ プロジェクトの両方でこのタスクを行う必要があります(コンソールから Firebase 構成ファイルをダウンロードして C++ プロジェクトに移動するなど)。

Firebase プロジェクトを設定する

  1. まだ設定していない場合は、Firebase コンソールの [設定] ページでゲームの SHA-1 フィンガープリントを設定します。

    次のように gradle signingReport コマンドを使用して、署名証明書の SHA ハッシュを取得できます。

    ./gradlew signingReport

  2. Google Play Games をログイン プロバイダとして有効にします。

    1. Firebase コンソールで、[Authentication] セクションを開きます。

    2. プロジェクトのウェブサーバーのクライアント ID とクライアント シークレットを生成して取得します。

      1. [Sign-in method] タブで、[Google] ログイン プロバイダを有効にします。

      2. ウェブサーバーのクライアント ID とシークレットを Google ログイン プロバイダからコピーします。

    3. [Sign-in method] タブで [Play Games] ログイン プロバイダを有効にし、前のステップで取得したプロジェクトのウェブサーバーのクライアント ID とクライアント シークレットを指定します。

Firebase アプリの情報を使用して Play Games services を構成する

  1. Google Play Console で、Google Play アプリを開くか、アプリを作成します。

  2. [Grow] セクションで、Play Games services > [設定と管理] > [設定] をクリックします。

  3. [はい、ゲームで Google API をすでに使用しています] をクリックし、リストから Firebase プロジェクトを選択して [使用する] をクリックします。

  4. Play Games services の設定ページで、[認証情報を追加] をクリックします。

    1. [ゲームサーバー] のタイプを選択します。
    2. [OAuth クライアント] フィールドで、プロジェクトのウェブ クライアント ID を選択します。Play Games ログインを有効にしたときに指定したクライアント ID と同じ ID を選択してください。
    3. 変更を保存します。
  5. 引き続き Play Games services の設定ページで、もう一度 [認証情報を追加] をクリックします。

    1. [Android] のタイプを選択します。
    2. [OAuth クライアント] フィールドで、プロジェクトの Android クライアント ID を選択します(目的の Android クライアント ID が表示されない場合は、Firebase コンソールでゲームの SHA-1 フィンガープリントが設定されていることを確認してください)。
    3. 変更を保存します。
  6. [テスター] ページで、Play Store にゲームをリリースする前に、ゲームにログインできるようにするユーザーのメールアドレスを追加します。

Play ゲームのログインをゲームに統合する

プレーヤーをゲームにログインさせる前に、Google Play Games のログインを統合する必要があります。

C++ Android プロジェクトに Play ゲームのログインのサポートを追加する最も簡単な方法として、Google Sign-in C++ SDK を使用することが推奨されています。

Google Sign-in C++ SDK を使用して Play ゲームのログインをゲームに追加するには、次の操作を行います。

  1. Google Sign-in Unity plugin リポジトリをダウンロードするか、そのクローンを作成します。このリポジトリには C++ SDK も含まれています。

  2. staging/native/ ディレクトリに含まれるプロジェクトを、Android Studio または gradlew buildを使用してビルドします。

    ビルドすると、その出力が google-signin-cppという名前のディレクトリにコピーされます。

  3. ゲームのネイティブ コードの make ファイルに Google Sign-in C++ SDK をインクルードします。

    CMake

    以下は、最上位の CMakeLists.txt ファイルです。

    set(GSI_PACKAGE_DIR "/path/to/google-signin-cpp")
    add_library(lib-google-signin-cpp STATIC IMPORTED) set_target_properties(lib-google-signin-cpp PROPERTIES IMPORTED_LOCATION     ${GSI_PACKAGE_DIR}/lib/${ANDROID_ABI}/libgoogle-signin-cpp.a )
    ...
    target_link_libraries(     ...     lib-google-signin-cpp)

    ndk-build

    以下は、Android.mk ファイルです。

    include $(CLEAR_VARS)
    LOCAL_MODULE := google-signin-cpp
    GSI_SDK_DIR := /path/to/google-signin-cpp
    LOCAL_SRC_FILES := $(GSI_SDK_DIR)/lib/$(TARGET_ARCH_ABI)/libgoogle-signin-cpp.a
    LOCAL_EXPORT_C_INCLUDES := $(GSI_SDK_DIR)/include
    include $(PREBUILT_STATIC_LIBRARY)

  4. 次に、Java ヘルパー コンポーネントをインクルードします。C++ SDK はこのコンポーネントを必要とします。

    これを行うには、プロジェクト レベルの build.gradle ファイルで、SDK ビルド出力ディレクトリをローカル リポジトリとして追加します。

    allprojects {
        repositories {
            // ...
            flatDir {
                dirs 'path/to/google-signin-cpp'
            }
        }
    }
    

    さらに、モジュール レベルの build.gradle ファイルで、ヘルパー コンポーネントを依存関係として宣言します。

    dependencies {
        implementation 'com.google.android.gms:play-services-auth:21.2.0'
        // Depend on the AAR built with the Google Sign-in SDK in order to add
        // the Java helper classes, which are used by the C++ library.
        compile(name:'google-signin-cpp-release', ext:'aar')
    }
    
  5. 次に、ゲーム内で Play ゲームログインを使用してサーバー認証コードを取得できるように GoogleSignIn オブジェクトを構成します。

    #include "google_signin.h"
    #include "future.h"
    
    using namespace google::signin;
    
    // ...
    
    GoogleSignIn::Configuration config = {};
    config.web_client_id = "YOUR_WEB_CLIENT_ID_HERE";
    config.request_id_token = false;
    config.use_game_signin = true;
    config.request_auth_code = true;
    
    GoogleSignIn gsi = GoogleSignIn(GetActivity(), GetJavaVM());
    gsi.Configure(config);
    
  6. 最後に、SignIn() を呼び出して、Play ゲームにプレーヤーをログインさせます。

    Future<GoogleSignIn::SignInResult> &future = gsi.SignIn();
    

    SignIn() によって返された Future が解決すると、結果からサーバー認証コードを取得できます。

    if (!future.Pending()) {
        const GoogleSignIn::StatusCode status =
                static_cast<GoogleSignIn::StatusCode>(future.Status());
        if (status == GoogleSignIn::kStatusCodeSuccess) {
            // Player successfully signed in to Google Play! Get auth code to
            //   pass to Firebase
            const GoogleSignIn::SignInResult result =
                    static_cast<GoogleSignIn::SignInResult>(future.Result());
            const char* server_auth_code = result.User.GetServerAuthCode();
        }
    }
    

Firebase で認証する

プレーヤーが Play ゲームにログインした後、認証コードを使用して Firebase で認証することができます。

  1. プレーヤーが Play ゲームを使用して正常にログインした後、プレーヤーのアカウントの認証コードを取得します。

  2. その後、Play ゲームサービスの認証コードを Firebase 認証情報と交換し、Firebase 認証情報を使用してプレーヤーを認証します。

    firebase::auth::Credential credential =
        firebase::auth::PlayGamesAuthProvider::GetCredential(server_auth_code);
    firebase::Future<firebase::auth::AuthResult> result =
        auth->SignInAndRetrieveDataWithCredential(credential);
    
  3. 定期的に(たとえば、毎秒 30 回または 60 回)実行される更新ループがプログラムに含まれている場合、Auth::SignInAndRetrieveDataWithCredentialLastResult を使用して、更新されるたびに 1 回結果を確認できます。

    firebase::Future<firebase::auth::AuthResult> result =
        auth->SignInAndRetrieveDataWithCredentialLastResult();
    if (result.status() == firebase::kFutureStatusComplete) {
      if (result.error() == firebase::auth::kAuthErrorNone) {
        firebase::auth::AuthResult auth_result = *result.result();
        printf("Sign in succeeded for `%s`\n",
               auth_result.user.display_name().c_str());
      } else {
        printf("Sign in failed with error '%s'\n", result.error_message());
      }
    }

    プログラムがイベント ドリブンの場合は、Future にコールバックを登録することをおすすめします。

Future にコールバックを登録する

プログラムの中には、毎秒 30 回または 60 回呼び出される Update 関数が含まれるものがあります。たとえば、多くのゲームでこのモデルが使用されています。このようなプログラムでは、LastResult 関数を呼び出して、非同期呼び出しをポーリングできます。ただし、プログラムがイベント ドリブンの場合は、コールバック関数を登録することをおすすめします。コールバック関数は、Future の完了時に呼び出されます。
void OnCreateCallback(const firebase::Future<firebase::auth::User*>& result,
                      void* user_data) {
  // The callback is called when the Future enters the `complete` state.
  assert(result.status() == firebase::kFutureStatusComplete);

  // Use `user_data` to pass-in program context, if you like.
  MyProgramContext* program_context = static_cast<MyProgramContext*>(user_data);

  // Important to handle both success and failure situations.
  if (result.error() == firebase::auth::kAuthErrorNone) {
    firebase::auth::User* user = *result.result();
    printf("Create user succeeded for email %s\n", user->email().c_str());

    // Perform other actions on User, if you like.
    firebase::auth::User::UserProfile profile;
    profile.display_name = program_context->display_name;
    user->UpdateUserProfile(profile);

  } else {
    printf("Created user failed with error '%s'\n", result.error_message());
  }
}

void CreateUser(firebase::auth::Auth* auth) {
  // Callbacks work the same for any firebase::Future.
  firebase::Future<firebase::auth::AuthResult> result =
      auth->CreateUserWithEmailAndPasswordLastResult();

  // `&my_program_context` is passed verbatim to OnCreateCallback().
  result.OnCompletion(OnCreateCallback, &my_program_context);
}
コールバック関数にラムダを使用することもできます。
void CreateUserUsingLambda(firebase::auth::Auth* auth) {
  // Callbacks work the same for any firebase::Future.
  firebase::Future<firebase::auth::AuthResult> result =
      auth->CreateUserWithEmailAndPasswordLastResult();

  // The lambda has the same signature as the callback function.
  result.OnCompletion(
      [](const firebase::Future<firebase::auth::User*>& result,
         void* user_data) {
        // `user_data` is the same as &my_program_context, below.
        // Note that we can't capture this value in the [] because std::function
        // is not supported by our minimum compiler spec (which is pre C++11).
        MyProgramContext* program_context =
            static_cast<MyProgramContext*>(user_data);

        // Process create user result...
        (void)program_context;
      },
      &my_program_context);
}

次のステップ

ユーザーが初めてログインすると新しいユーザー アカウントが作成され、ユーザーの Play ゲーム ID にリンクされます。この新しいアカウントは Firebase プロジェクトの一部として保存され、プロジェクト内のすべてのアプリでユーザーを特定するために使用できます。

ゲームでは、firebase::auth::User オブジェクトからユーザーの Firebase UID を取得できます。

firebase::auth::User user = auth->current_user();
if (user.is_valid()) {
  std::string playerName = user.displayName();

  // The user's ID, unique to the Firebase project.
  // Do NOT use this value to authenticate with your backend server,
  // if you have one. Use firebase::auth::User::Token() instead.
  std::string uid = user.uid();
}

Firebase Realtime Database と Cloud Storage のセキュリティ ルールでは、ログイン済みユーザーの一意のユーザー ID を auth 変数から取得し、それを使用して、ユーザーがアクセス可能なデータを制御できます。

ユーザーの Play Games のプレーヤー情報を取得したり、Play Games サービスにアクセスしたりするには、Google Play Games サービス C++ SDK で提供されている API を使用します。

ユーザーのログアウトを行うには、SignOut() を呼び出します。

auth->SignOut();