Remote Config のパーソナライゼーションを開始する

Remote Config でパーソナライズを使用すると、複数のユーザー エクスペリエンスの選択肢から 1 つをユーザーに自動で提供し、目標に向けて最適化できます。この機能の概要をご覧ください。

ここでは、この機能の利用を開始する方法について説明します。

1. AnalyticsRemote Config を使用してアプリを計測可能にする

パーソナライズされたユーザー エクスペリエンスを提供するには、アプリで AnalyticsRemote Config を使用する必要があります。

  1. Firebase プロジェクトの作成時に Google Analytics を有効にしなかった場合は、プロジェクトの [統合] ページで有効にします。

  2. 次のバージョンの Remote Config SDK を使用していることを確認します。

    • iOS: 7.5.0 以降
    • Android: 20.0.3(Firebase BoM 26.4.0)以降
    • C++ 7.1.1 以降
    • Unity: 7.1.0 以降

    これらのバージョン(およびそれ以降のバージョン)では、目標に合わせた最適化の方法についてパーソナライズ システムが学習するために必要なロギングが実行されます。

  3. アプリにイベント ロギングの呼び出しを追加します。

    少なくとも、最適化対象の操作をユーザーが完了したときにイベントをロギングします。たとえば、Play ストアの評価の送信を最適化する場合は、ユーザーがアプリを評価するたびにイベントをロギングします。

    また、アプリに関連する Analytics イベントのうち、自動的にロギングされないイベントについては明示的にロギングする必要があります。コンテキストに応じたイベントをロギングすることで、パーソナライズの品質を向上させることができます。

  4. アプリで実現したいさまざまなユーザー エクスペリエンスを実装します。これは、各ユーザーに広告が表示される頻度をパーソナライズするというシンプルな場合もあれば、異なるレイアウトを実装するなどの大きく異なる選択肢を提供する場合もあります。

  5. Remote Config パラメータの値に基づいて異なるユーザー エクスペリエンスを構成できるようにします。Remote Config を使ってみるRemote Config の読み込み方法をご覧ください。

この時点で、App Store や Play ストアにアプリをデプロイできます。ユーザーには構成済みのデフォルトのエクスペリエンスが表示されますが、リモートで構成可能な変数を使用してエクスペリエンスを制御できるので、パラメータによる自動パーソナライズを使用してテストを開始できます。

パーソナライズ システムは、アップデート後のアプリのユーザー数がある程度の人数に達すると、個々のユーザーのエクスペリエンスを最適化できるようになります。

2. Firebase コンソールでパラメータのパーソナライズを構成する

計測可能にされたアプリがユーザーの手に渡ったら、Firebase コンソールを使用してパーソナライズを設定できます。

  1. Firebase コンソールの [Remote Config] ページで、パーソナライズするユーザー エクスペリエンスを制御するパラメータを見つけて、鉛筆アイコンをクリックして編集します。

  2. [パラメータの編集] ペインで、[新たに追加] > [パーソナライズ] をクリックします。

  3. 2 つ以上の代替値を定義します。「代替値」とは、パーソナライズのアルゴリズムでユーザー向けに選択できるパラメータ値の固有名です。ここで使用する値の形式は、Remote Config パラメータで使用するデータ型と一致する必要があります。

  4. 目標を選択します。次のいずれかを選択できます。

    • 収益やエンゲージメントなどの指標向けにあらかじめ作成されている目標のリストから選択します。
    • 最適化したい他の Google Analytics イベントに基づくカスタム指標を追加します。追加するには、[目標] フィールドにイベント名を入力し、[ イベントを作成] をクリックします。

      これらのイベントは動的またはカスタムである場合があるため、プルダウンに表示されないことがあります。指定した指標がアクティブな Analytics イベントと完全に一致するようにするには、[分析 ] > [ イベント] でイベントを確認します。

  5. イベント数([])と、すべてのイベントの値の合計([合計])のどちらに基づいて最適化するかを選択します。

    組み込みの Analytics イベント向けに、このオプションがあらかじめ選択されている場合があります。たとえば、SUM時間については、合計所要時間に基づいて最適化を行うため、常に [SUM] が選択されます。[広告クリック] を選択すると、[](広告クリック イベントの合計数)に基づいてパーソナライズが最適化されます。

  6. [SUM] を選択した場合は、集計するイベント パラメータの名前を入力します。

    多くの場合、イベント パラメータ名は value ですが、集計する特定の値が含まれるカスタム指標を使用することもあります。たとえば、USDJPYAUD などのパラメータが含まれるさまざまな通貨タイプのイベントを使用する場合は、AUD をイベント パラメータとして指定すると、オーストラリアの収益に基づいて最適化できます(この場合、次のステップではオーストラリアのユーザー向けのターゲティング条件を構成してください)。

  7. 必要に応じて、追跡する指標を追加で 2 つまで選択します。これらはパーソナライズのアルゴリズムには影響しませんが、その結果はパフォーマンスと傾向の理解を深めるのに役立ちます。たとえば、パーソナライズで広告クリックで最適化する場合は、ベースライン グループとパーソナライズド グループ間のユーザー エンゲージメントを追跡することをおすすめします。

    追跡した指標は、パーソナライズの結果の概要にタブ別に表示されます。

  8. パーソナライズ パラメータのターゲティング条件を定義または選択します。この条件を満たしているユーザーのみに、パーソナライズされたエクスペリエンスが提供されます。よく使用されるパーソナライズの条件には、特定のプラットフォームを使用しているユーザー、または特定の地域のユーザーなどがあります。

適切な代替値、目標、追加の指標、ターゲティングが設定できたら完了です。変更を保存してデプロイし、ユーザーの個々のエクスペリエンスのパーソナライズを開始します。パーソナライズされたパラメータ値は、数時間後にユーザーに届き始めます。システムがユーザーについて学習して最適なパフォーマンスを得るまでに、最長で 14 日かかります。

[パーソナライズ] ページでパーソナライズを選択するか、[Remote Config] ページでパラメータのターゲティング条件をクリックすると、パーソナライズのパフォーマンスを確認できます。

結果の解釈方法については、パーソナライズの結果を理解するをご覧ください。