Firebase Remote Config と Google Analytics の両方が組み込まれたアプリを作成すると、アプリのユーザーについての理解が深まり、ユーザーのニーズにすばやく対応できます。Analytics のオーディエンスとユーザー プロパティを使用して、柔軟かつ正確にユーザーベースのセグメントに応じてアプリをカスタマイズできます。
Google Analytics SDK を統合すると、A/B Testing、Remote Config のカスタマイズ、Remote Config のロールアウトで提案の内容を調整するために役立つ分析情報が提供されます。結果を分析して、さまざまな選択肢が収益やエンゲージメントなどの主要な指標にどのように影響するかを把握できます。
Google Analytics によるアプリの使用状況の分析についは、Analytics の概要をご覧ください。
Firebase の外部で識別したセグメントを使用してアプリをカスタマイズするには、インポートしたセグメントのドキュメントをご覧ください。
Remote Config とユーザー プロパティ
Remote Config で、Analytics のユーザー プロパティの組み合わせを使用して条件を作成できるようになりました。これにより、定義したユーザーベースのセグメントに応じてアプリをカスタマイズできます。
たとえば、所要時間と難易度が異なるさまざまなエクササイズ アクティビティがあるエクササイズ アプリで使用するため、次のユーザー プロパティを Google Analytics で定義できます。
- Exercise_Interest
- Preferred_Exercise_Duration
- Preferred_Difficulty_Level
次に、これらのプロパティを使用する条件を(個別に、または組み合わせて)作成して、特定のユーザーに対してアプリの外観や動作をカスタマイズできます。たとえば、ランニングに興味を持っているユーザーには、アプリのロード中にジョギングする人の画像を表示するようにアプリを設計することができます。または、エクササイズの所要時間と難易度によってユーザー層のセグメントを定義して、アプリを起動したときに、カジュアル ユーザーには最初に短時間の簡単なワークアウトの提案を表示し、本格的なアスリートには 40 分間のランニングから始める提案を表示することができます。
ユーザーの行動にユーザー プロパティを変えるような変化があった場合、Google Analytics によってこれらの更新が収集され、次回のフェッチ リクエスト後にアプリ インスタンスの動作と外観が変更されることがあります。あらゆる演算子を使用できるため、特定のユーザー プロパティ(またはプロパティの組み合わせ)を持つユーザーを除外したり含めたりするルールを作成できます。
また、他の Remote Config ルールとユーザー プロパティに基づくルールを組み合わせて、カスタマイズしたアプリの動作をオーディエンス セグメントに配信することもできます。次に例を示します。
- ヨガが好きで(Exercise_Interest が yoga に完全一致)、Android デバイスでアプリを使用していて(OS type == Android)、カナダにいる(Device in region/country == Canada)ユーザー
- ウェイト リフティングまたは減量に興味があり(Exercise_Interest に weight が含まれる)、英語 UI(Device language ==English)の Apple デバイスでアプリを使用しているユーザー(OS type == iOS)
初回起動時間で目標を設定
Google Analytics と Remote Config をリンクすると、Remote Config パラメータの取得とパーソナライズ、A/B Testing テストに関して、ユーザーが初めてアプリを起動した時間(Analytics イベント first_open
を使用)に基づいてユーザーをターゲット設定できるようになります。
初回起動時間を使用して、次のことを行えます。
- 新規ユーザーをターゲットにする。
- 過去の特定の期間に参加したユーザー グループをターゲットにする。
- 新規ユーザー向けのオンボーディング フローとウェルカム エクスペリエンスを作成してテストする。
- 特定の期間内の参加ユーザー向けにカスタマイズしたエクスペリエンスを作成する。
たとえば、複数の国のユーザーがいるオンライン ショッピング アプリを運用していて、アプリの新規ユーザー向けにホリデー シーズンの特別セールを宣伝したいとします。ブラックフライデー・セールのように米国のユーザーを対象とするセールであれば、特定の iOS または Android アプリをターゲットとし、セールまでの 1 か月間にアプリを初めて起動した(初回起動がロサンゼルス時間の 2022 年 11 月 1 日午前 12:00 時から 2022 年 11 月 26 日午前 12:00 時の間)米国内のすべてのユーザー(Device in region/country == United States)を選択する Remote Config テストまたは A/B Testing テストの条件を設定できます。
初回起動時間によるユーザー ターゲティングは、Android アプリまたは iOS アプリを選択した後に使用できます。現在、初回起動時間によるユーザー ターゲティングをサポートしている Remote Config SDK のバージョンは、Appleプラットフォーム SDK v9.0.0 以降、Android SDK v21.1.1 以降(Firebase BoM v30.3.0 以降)です。
サポートされている SDK がインストールされ、Analytics が有効になっていれば、アプリを最初に起動したユーザーをいつでもターゲットに設定できます。
次のステップ
ユーザー プロパティの詳細については、以下のガイドをご覧ください。
ルールを組み合わせて条件を作成する方法について詳しくは、Remote Config のパラメータと条件をご覧ください。
プロジェクトに Remote Config 条件を追加するには、条件を追加または編集するをご覧ください。パラメータ、ルール、条件はFirebase コンソールで作成できます。