1. 概要
この Codelab では、Firebase App Distribution とその Gradle プラグインを使用して、Android App Bundle リリースをテスターに配布する方法を学びます。App Distribution は、プレリリース版のアプリと各リリースに招待するテスターを一元管理するためのハブを提供します。
学習内容
- Firebase アプリを Google Play にリンクする
- アプリを App Bundle としてパッケージ化してビルドする方法
- リリースを作成してライブテスターと共有する方法
- テスターとして新しいリリースをダウンロードしてテストする方法
必要なもの
- 最新の Android Studio バージョン
- Android Studio で生成した署名付きバンドル ファイル
- 自分が所有者または管理者となっている Google Play デベロッパー アカウント
- Google Play のアプリが Google Play アプリ ダッシュボードで設定されており、次のステータスになっている。
- アプリが Google Play トラック(内部テスト、クローズド テスト、オープンテスト、製品版)のいずれかに配布されている。
- Google Play でアプリの審査が完了し、アプリが公開されている。[アプリのステータス] 列に、内部テスト(未公開の内部テストではない)、クローズド テスト、オープンテスト、製品版のいずれかのステータスが表示されている場合、アプリは公開されています。
- Firebase から新しいビルド招待を受信するためにテスターとして使用できるメールアドレス
2. Firebase プロジェクトを作成する
- Firebase にログインします。
- Firebase コンソールで [プロジェクトを追加] をクリックし、プロジェクトに「AppBundlesCodelab」という名前を付けます。Firebase プロジェクトのプロジェクト ID を覚えておいてください。プロジェクト ID を編集しない場合、プロジェクトに一意の ID が自動的に割り当てられます。
- (省略可)プロンプトが表示されたら、Google アナリティクスを有効にします。
- 残りの手順を完了し、[プロジェクトを作成] をクリックします。
App Bundle をプロジェクトに追加する
- Firebase コンソールで [アプリを追加] をクリックします。
- アプリを登録する際は、Google Play デベロッパー アカウントにアップロードしたアプリと同じパッケージ名を必ず使用してください。 最後に、[アプリを登録] をクリックします。
- 残りの手順を完了して、アプリの Firebase 構成ファイル(
google-services.json
)をアプリに追加します。Android の場合、App Distribution にはアプリに追加する Firebase SDK がありません。 - [コンソールに進む] をクリックします。
Google Play にリンクする
- Firebase コンソールで [プロジェクトの設定] に移動します。
- [統合] タブで、[Google Play] カードの [リンク] をクリックします。
- 画面上の手順に沿って App Distribution のインテグレーションを有効にしてから、新しく作成した Firebase アプリを選択して Google Play にリンクします。
ここまでのステップが完了しました。アプリのパッケージ名が一致していれば、Firebase アプリは Google Play デベロッパー アカウントのアプリにリンクされます。
3. App Distribution をプロジェクトに追加する
App Distribution Gradle プラグインを追加する
次に、Android Studio を使用して、App Distribution とその Gradle プラグインをアプリに追加します。
- プロジェクト レベルの Gradle ファイル(
android/build.gradle.kts
)で、App Distribution Gradle プラグインをplugins
ブロックに追加します。plugins { //... // Add the App Distribution Gradle plugin id("com.google.firebase.appdistribution") version "4.0.0" apply false }
- プロジェクト レベルの設定の Gradle ファイル(
android/settings.gradle.kts
)で、Google の Maven リポジトリをpluginManagement
ブロックに追加します。pluginManagement { // Check that you have Google's Maven repository (if not, add it). repositories { google() mavenCentral() } }
- アプリレベルの Gradle ファイル(
android/app/build.gradle.kts
)で、App Distribution プラグインをplugins
ブロックに追加します。plugins { //... // Add the App Distribution plugin id("com.google.firebase.appdistribution") }
- 企業のプロキシやファイアウォールの背後にいる場合は、次の Java システム プロパティを追加して、App Distribution がディストリビューションを Firebase にアップロードできるようにします。
-Djavax.net.ssl.trustStore=/path/to/truststore -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=password
Firebase プロジェクトを認証する
Gradle プラグインを使用する前に、Firebase プロジェクトを認証する必要があります。この Codelab では、Firebase CLI を使用して Google アカウントにログインします。
Android プロジェクトのルートで次のコマンドを実行します。
~/your-android-project$ firebase login
リファレンス ドキュメントに詳細が記載されています。
4. Android Studio でバンドル プロパティを設定する
このステップでは、後で配布するビルドのテスターとして自分を追加します。ビルドを配布すると、テスターには Firebase から、新しいビルドのテストを促すメール通知が送信されます。
app/build.gradle.kts
に firebaseAppDistribution
セクションを追加し、次のパラメータを含めます。
appID
: アプリの Firebase アプリ ID。これは [プロジェクト設定] の [全般] タブにあります。artifactType
: アプリのファイル形式(AAB
)。testers
: テスターのメールアドレス。この Codelab では、配布後にビルドをテストできるように、独自のメールアドレスを追加します。
次に例を示します。
android {
// ...
buildTypes {
getByName("release") {
firebaseAppDistribution {
appId = "yourAppId"
artifactType = "AAB"
testers = "ali@example.com, bri@example.com, cal@example.com"
}
}
}
// ...
}
オプションとして、-PappDistribution-property-name=property-value
の形式でコマンドライン引数を渡すことで、build.gradle.kts
で設定した値をオーバーライドすることもできます。
5. リリースをビルドして配布する
bundleVariant
Gradle タスクを実行して、App Bundle ファイルをビルドします。$ ./gradlew :base:bundleRelease
- アプリケーションのビルド ディレクトリ(デフォルトの場所は
app/build/outputs/bundle/release
)でバンドルを見つけます。 - リリースを配布するには、プロジェクトの Gradle ラッパーを使用して、ターゲットの
bundleRelease
とappDistributionUploadRelease
をビルドします。Firebase トークン(手順 3 の「App Distribution をアプリに追加する」で受け取ったトークン)を含めます。export FIREBASE_TOKEN=your_firebase_token ./gradlew --stop // Only needed for environment variable changes ./gradlew bundleRelease appDistributionUploadRelease
テスターには、ビルドをダウンロードしてテストするための招待メールが届きます。デベロッパーは、App Distribution ダッシュボードの [リリース] タブでビルドをモニタリングできるようになりました。
6. リリースをダウンロードしてテストする
このセクションでは、配布したリリースをダウンロードするためのテスターとして設定します。テスターとして、テストデバイスを認証し、Google Play ストア アプリで内部アプリ共有を有効にする必要があります。
- テストデバイスで、テスターのメール アカウントにログインし、Firebase からの招待を開きます。
- Google アカウントでログインし、招待を承諾して、配布されたリリースをテストします。または、Firebase App Tester をダウンロードして、ダウンロードしたリリースがデバイスの
Downloads
フォルダに追加されないようにすることもできます。また、ダウンロードの進捗状況やリリース バージョンなど、リリースに関する追加情報も表示されます。 - リリースの [ダウンロード] をタップし、Google Play ストアからリリースをインストールします。
- メッセージが表示されたら、内部アプリ共有を有効にする残りの手順を完了します(手順はテストデバイスに表示され、1 回だけ実行する必要があります)。
ダウンロードが完了すると、リリースがデバイスのホーム画面にショートカットとして自動的に表示されます。
7. お疲れさまでした
Firebase App Distribution を使用して App Bundle をアップロードし、テスターにリリースを配布しました。
次のステップ
- リリースのテスターを管理する方法について詳しくは、App Distribution のドキュメントをご覧ください。
- アプリをデプロイするために使用できるその他のツールについては、Android App Bundle のビルドとテストをご覧ください。