GameNexa Studios の事例: Firebase を使用してアプリ内購入の収益を倍増し、収益化戦略を多様化
はじめに
GameNexa Studios は、インドを本拠とするアプリ デベロッパー兼コンサルタント会社です。同社は Star Play Creations、AppStar Studios、GameNexa の 3 つのブランドで 40 種類を超えるアプリやゲームをリリースし、1 か月に計 500 万人近くのユーザーにサービスを提供しています。独自製品のリリースに加えて、他のデベロッパーが同社のアプリやゲームを最大限に活用できるよう支援する事業も行っています。
GameNexa の最も人気のアプリは、GPS と音声ナビ、運転ルート、付近の場所を知らせるアラートなどをインターネット接続なしで提供するというものです。「このアプリの人気の理由は、ローカライズされた音声ナビの指示をダウンロードしてオフラインで使用できる点にあります。」GameNexa で代表取締役兼 CEO を務める Srinivas Reddy Kamireddy 氏はこのように語ります。
課題
多くの同業他社と同様に、GameNexa も COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックによって収益源が崩壊しました。それまで、同社の収入の大部分はダウンロード無料のアプリやゲーム内に表示される広告によるものでした。ところが、広告主の多くが COVID-19 の影響で予算を削減したため、GameNexa の広告収入は減少しました。AdMob でアプリ内広告収益を見た Kamireddy 氏は、「eCPM(推定インプレッション単価)が大幅に低下していることに気づきました」と語ります。また、アプリ内購入も減少していました。
同社は、収益源を多様化し、COVID 関連の広告収入の減少を相殺するデータドリブンな方法が必要であると考え、Firebase の導入に踏み切りました。
解決方法
GameNexa が必要としていたのは、すべてのユーザーを対象とする画一的な戦略から、個々のユーザー向けにカスタマイズされた多様な収益モデルへの転換でした。そのためには、自社のユーザーとその行動についてもっと詳しく知る必要がありました。そこで GameNexa は、Google アナリティクスを使用してユーザーを言語、セッション継続時間、国などでセグメントにグループ分けしました。次に、Firebase Remote Config と A/B Testing を使用して広告頻度、プレースメント、アプリ内購入オファーなどの変数を各グループでテストし、最も効果の高いオファーをセグメントごとに特定しました。
このような取り組みの結果、アプリ内購入(IAP)による収益が 2.5 倍増加し、広告インプレッションを倍増させることで広告収入を COVID 前のレベルまで戻すことができました。さらに、「特定のユーザー層向けに料金の異なるカスタマイズされた IAP パックを作成することで、コンバージョンが 6 倍向上しました」と Kamireddy 氏は語ります。
また同氏は、「Firebase を使用して、ユーザー維持率やユーザー エクスペリエンスにマイナスの影響を与えずに広告収入を増やすことができました」と付け加えています。
さらに、GameNexa はユーザー エクスペリエンスの向上を図るためにアプリの品質改善にも投資しました。彼らは、Crashlytics と Performance Monitoring を使用して、行動につながるインサイトを獲得し、全社的にアプリ エクスペリエンスを向上させました。実際、クラッシュが 5 分の 1、ANR(アプリケーション応答なしエラー)が半分に減少したことで、GameNexa のユーザー維持率とセッション継続時間はさらに増加しました。
この成功に刺激を受けた GameNexa は、グローバル ユーザー向けにローカライズした UI のテストなど、今後のプロジェクトにも Firebase を引き続き使用することを計画しています。また、コンサルティング事業を通して、逆境の中でデータ、パーソナライズ、アジリティの力について学んだことを他のアプリ デベロッパーに伝えることも検討しています。
結果
6 倍 - アプリ内購入コンバージョンの増加
2.5 倍 - アプリ内購入収益の増加
5 倍 - クラッシュの減少
「Firebase は、当社のビジネスに大きな変革をもたらしました。これにより、ユーザーの満足度を維持したまま、必要なデータを使って収益の流れを改善し、困難な状況に適応することができました。」
- GameNexa Studios PVT LTD 社代表取締役兼 CEO、Srinivas Reddy Kamireddy 氏